承知しました。コードにコメントを加えて、なぜコンパイルエラーが発生するのかを説明します。
import java.io.FileInputStream;
import java.io.FileNotFoundException;
public class Sample {
public static void main(String[] args) {
try (FileInputStream is = new FileInputStream("sample.txt")) {
// 以下の行でFileNotFoundExceptionを強制的にスローしているため、
// FileInputStreamオブジェクトは正しく初期化されません。
// これはtryブロックが完了しなかったことを意味します。
throw new FileNotFoundException();
} catch (Exception e) {
// FileNotFoundExceptionがcatchブロックで捕捉されます。
// ここで"A"が出力されます。
System.out.println("A");
} finally {
// ここで問題が発生します。try-with-resources文では、
// tryブロック内で正しく初期化されたリソースのみが
// 自動的に閉じられることが保証されています。
// しかし、このコードではFileInputStreamオブジェクト(is)の
// 初期化がFileNotFoundExceptionをスローするために完了していません。
// そのため、finallyブロックのスコープでは「is」は存在しないことになります。
// これがコンパイルエラーの原因です。
if (is != null) {
is.close(); // コンパイルエラー: 変数isが見つかりません
}
// "B"が出力されますが、上述のコンパイルエラーによって
// この行に到達することはありません。
System.out.println("B");
}
}
}
このコードスニペットはコンパイルエラーになる理由は、try-with-resources
構文を使っていますが、リソース(この場合はFileInputStream
のis
)が初期化される前に例外がスローされるため、is
は実際には作成されず、finally
ブロックのスコープ外になります。通常、try-with-resources
構文は、リソースの初期化後にそのリソースが閉じられることを保証するため、初期化が正常に完了した場合にのみリソースを閉じる操作が有効です。しかし、初期化が未完了のため、finally
ブロックではis
変数が認識されず、is.close()
メソッドを呼び出そうとするとコンパイルエラーが発生します。この結果、コンパイル時にis
が定義されていないというエラーが発生し、これが答えEの理由となります。
追記
コンパイルエラーを回避するためには、FileInputStream
の変数is
をtry
ブロックの外で宣言し、null
で初期化する必要があります。これにより、finally
ブロックでis
を参照してもスコープ外にはならず、close()
メソッドを安全に呼び出すことができます。以下にその修正版コードを示します。
import java.io.FileInputStream;
import java.io.FileNotFoundException;
import java.io.IOException;
public class Sample {
public static void main(String[] args) {
// 'try'ブロックの外でリソースを宣言し、nullで初期化する。
FileInputStream is = null;
try {
is = new FileInputStream("sample.txt");
// この行で例外を強制的にスローします。
throw new FileNotFoundException();
} catch (FileNotFoundException e) {
// FileNotFoundExceptionがキャッチされ、"A"を出力します。
System.out.println("A");
} finally {
// finallyブロックでリソースを安全にクローズします。
if (is != null) {
try {
is.close();
} catch (IOException e) {
// close()メソッドからの例外をキャッチします。
e.printStackTrace();
}
}
// "B"が出力されます。
System.out.println("B");
}
}
}
この変更により、FileInputStream
オブジェクトはtry
ブロック内で発生する可能性のある例外とは独立して存在するようになります。そのため、try
ブロックで例外がスローされた後でも、finally
ブロックでis
変数にアクセスしてclose()
メソッドを呼び出すことができます。また、close()
メソッドが別の例外をスローする可能性があるため、close()
メソッドの呼び出しを別のtry-catch
ブロックで囲んでいます。これでIOException
を適切に処理でき、プログラムの他の部分への影響を防げます。
補足
修正されたコードは、FileInputStream
がtry
ブロックで正しく宣言されているため、コンパイルエラーは回避されます。コードの実行により表示される出力は次のようになります:
-
try
ブロックが実行されますが、すぐにFileNotFoundException
がスローされます。 -
catch
ブロックが実行され、「A」と出力されます。 -
finally
ブロックが実行されますが、FileInputStream
はnull
でないので、close()
メソッドが実行されます。その後、「B」と出力されます。
したがって、実際にコンソールに表示されるのは次の2行になります:
A
B
ただし、ここではFileNotFoundException
をキャッチしているので、catch
ブロックにおいて他の例外タイプは捕捉されません。close()
メソッドからのIOException
をキャッチするための追加のtry-catch
ブロックをfinally
内に含めているため、この例外がスローされても処理されます。
Top comments (0)