最近、X(旧Twitter)で、この「ロブスター」のアイコンを見かけませんでしたか?
開発者の間では 「Clawdbot」 がちょっとした祭りになっています。「また新しいAIツール?」と思ってスルーしかけましたが、GitHubで30kスターを集めているのには理由がありました。
結論から言うと、これは単なる「おしゃべりBot」ではありません。あなたのMac Miniを「24時間働くデジタル社員」に変える、最強のAgent Gatewayです。
これは「AGIの降臨」なのか、それとも「危険な遊び道具」なのか? 実際に掘り下げてみましょう。
1. そもそも何が違うのか?「相談役」と「実行部隊」の差
従来のChatGPTやClaude(Web版)は、いわば「賢い相談役」でした。コードを書いてくれたり、アドバイスはくれますが、実際の作業は人間がやる必要がありました。
- 従来: 「このバグの直し方を教えて」→ AIがコード提示 → 人間がコピペして実行
- Clawdbot: 「このバグ直しておいて」→ AIが修正して、テスト回して、Git Commitまで完了
Clawdbotの正体は、Claude APIとあなたのローカルShellを直結させるゲートウェイです。Artifactsのようなサンドボックス(箱庭)ではなく、あなたの生のマシン環境でコマンドを叩きます。
つまり、TelegramやiMessageから「指令」を飛ばすだけで、家のPCが勝手に仕事を片付けてくれるのです。これ、ワクワクしませんか?
2. コアアーキテクチャ:Local-first + RAG
技術的に面白いのは、その設計思想です。
実行層(Gateway)
Telegram、WhatsApp、Discordなどのメッセージアプリを「コントローラー」として使います。外から投げた自然言語の指示が、自宅のサーバー(PC)でシェルコマンドに変換され、実行されます。
記憶層(MEMORY.md)とRAG
これがClawdbotのキモです。 Web版を使っていると「新しいチャットを開くたびに記憶喪失」になりますよね?
Clawdbotは、会話履歴や学習したユーザーの好みをMarkdownファイルとしてローカルに保存します。さらに、ベクトル検索(RAG) を使って過去の記憶を引き出します。「2週間前に話したあのバグ」の話をしても、ちゃんと覚えているのです。
プライバシー
データは基本ローカル完結(LLMへの送信を除く)。機密性の高いRepoを扱う場合でも、ブラウザ拡張機能よりはるかに安心感があります。
3. 実戦投入:ただのデモで終わらせない
「天気予報を聞く」みたいな退屈な使い方はしません。エンジニアならこう使います。
- 完全自動化DevOps:
出先からスマホで「◯◯のリポジトリのCI落ちてるから見て」と送信。
Clawdbotが
git pull→ ログ解析 → コード修正 → コンパイル →git commit。 (個人的なアイデアですが、ここに Apidog CLI を噛ませるのも面白そうです。シェルが叩けるならAPIテストもコマンド一発なので、「修正」だけでなく「品質保証」まで寝ている間に終わらせる——そんなワークフローも夢ではありません。) - サーバー監視 & 自動復旧: Cron Jobsのように常駐し、異常を検知したら即座に通知、あるいは勝手に再起動スクリプトを走らせる。
- 音声対話 (ElevenLabs連携): 電話をかけさせて、レストランの予約をAIに任せる猛者もいます。 実際、Alex Finn (@AlexFinn) は、Clawdbotに電話をかけさせ、レストランの予約を自律的に完了させる様子をXで公開しています。失敗しても戦略を変えて再トライする「執念」は、まさにAgentです。
4. 知っておくべき「現実」とリスク
ここまで聞くと「神ツールじゃん」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。 現実はそう甘くありません。
財布が燃える(コスト問題)
これ、めちゃくちゃお金かかります。
Clawdbotは複雑なタスクのためにClaude 4.5 Sonnetなどの高性能モデルを大量に呼び出します。ローカルファイルを読み込み、文脈を確認し...とやっていると、Token消費がマッハです。ヘビーユーザーの中には週に数百ドル溶かしたという報告も。
セキュリティリスク
「Shellの実行権限を与える」ことの怖さは、エンジニアなら分かりますよね?
もしPrompt Injection(プロンプトインジェクション) 攻撃を受けたり、悪意のあるPDFを読ませてしまった場合、最悪、あなたのMacがコマンド一発で初期化される可能性もゼロではありません。サンドボックス外での実行は、諸刃の剣です。
5. 3分で始める Quick Start
それでも試してみたいチャレンジャーへ。環境構築は意外とシンプルです。
前提環境:
- Node.js 22+ (必須)
- Mac Mini あるいは常時稼働のVPS推奨
インストール:
# インストール
npm install -g clawdbot@latest
# 初期設定(APIキー設定や通信チャンネル確立)
clawdbot onboard --install-daemon
起動 & テスト:
# ゲートウェイ起動
clawdbot gateway --port 18789 --verbose
# テストメッセージ送信
clawdbot message send --to +1234567890 --message "Hello from Clawdbot"
これだけで、あなたのローカルマシンに「脳」が宿ります。
まとめ:これは「未来のOS」の形かもしれない
Clawdbotはまだ荒削りで、コストも高く、万人向けではありません。
しかし、「AIが主体的に動き、OSレベルで操作を行う」 という体験は、一度味わうと戻れません。
「チャットして終わり」のAIはもう卒業です。
あなたのPCの中に、24時間文句も言わず働き続ける「相棒」を住まわせてみませんか?



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