DEV Community

Cover image for AWS・Google・Microsoftのスタートアッププログラムまとめ
Shiomi Sumi for AWS Community Builders

Posted on

6

AWS・Google・Microsoftのスタートアッププログラムまとめ

こんにちは、Sumiです。

スタートアップのみなさん、クラウドはお得に利用できていますか?
できることならコストは最小限に、最速でビジネスをカタチにしたいと思われている方がほとんどではないでしょうか。

そんなスタートアップのみなさまに向けて、各クラウドベンダーが提供しているスタートアップ・プログラムをご紹介しようと思います。

AWS Activate

AWSActivate

Amazon Web Services(以下、AWS)では、「AWS Activate」というスタートアップ向けのプログラムを提供しています。プログラムは「Foundars」「Portfolio」の2種類(※)があり、調達前のシード・アーリー期スタートアップであれば「Foundars」、VC出資・アクセラレータに採択されているスタートアップであれば「Portfolio」を申請するのがよさそうです。

最近は公共向けビジネスへの参入を希望するスタートアップ企業を支援する「AWS Startup Ramp」プログラムも発表されていましたが、今回の記事ではFoundarsとPortfolioについて取り扱います。

それぞれの違いはこちら

AWS Activate Foundars

  • $1,000のAWSクレジット
  • $350のAWS Supportクレジット
  • テクニカルサポート
  • 無料のサービス、製品、メンバーシップなど、メンバー限定のオファー
    • Slack等のよく利用するサービスを安く利用できるようになる!!
  • 参加基準
    • AWS Activate を初めて利用する
    • 出資を受けていない、またはシリーズAまで
    • 企業ウェブサイトやオンライン公開プロフィールが機能している (LinkedInの)
    • 過去 10 年以内に設立されている

AWS Activate Portfolio

  • 最大 $100,000 のAWSクレジット
  • 最大 $10,000 のAWS Supportクレジット
  • テクニカルサポート
  • 無料のサービス、製品、メンバーシップなど、メンバー限定のオファー
  • 参加基準
    • 自己資金、または出資を受けている
    • Activate プロバイダーと関係があり、その ORG ID を持っている
    • 企業ウェブサイトが機能していること
    • 過去 10 年以内に設立されていること

Portfolioの方が特典は多いものの、Activate プロバイダー経由でないと申し込むことができないので、まだこれからのシード・アーリー期のスタートアップはFoundarsを申し込むことになります。

特典

AWSではパートナー企業の製品を安く利用することができる特典が充実しています。 Slack や Notion といった日常業務に欠かせないサービスや、Circle CI、Datadog といった開発で必要なツールなども割安で利用することができるオファーを受けることができるので、この特典だけでもめっちゃお得。

tokuten

AWSで自社でプロダクトの開発をおこなっているスタートアップなら、とにかくAWS Activateを申し込まないと損ですね。Foundarsであれば申し込みも簡単ですぐに利用可能になるはずなので、まだ申し込んでいない方はすぐに実施された方が良いかと思います。

個人的な宣伝ですが、AWS Startup Community というスタートアップ向けのコミュニティの運営をしておりますので、こちらからご参加いただけると嬉しいです

AWS Startup Community - connpass

# AWS Startup Community へようこそ!! ここは AWS を利用している スタートアップのためのコミュニティ で、スタートアップ同士の交流や経験の共有を目的としています! 日本のスタートアップから素晴らしいプロダクトや技術が世の中に出て行くことを応援しており、技術系・非技術系問わずあらゆるテーマを取り扱います。 ## AWS Startup Community のスコープ AWS を利用しているスタートアップから成るコミュニティではありますが、トピックとして扱う内容は AWS に限りません。スタートアップが成長していく過程で必要となる要素はプロダクト開発やクラ...

favicon aws-startup-community.connpass.com

Google for Startups

Google for Startups

Google CloudやGoogle Workspace等の各種サービスを提供するGoogleにもスタートアッププログラムがあり、対象となるスタートアップ企業には、Google Cloud でビジネスを構築し成長させるためのリソース、サポート、割引が提供されています。

Googleでも、「出資を受けていない企業向け」「出資を受けている企業向け」 の2 つのプログラムが用意されていて、参加条件の違いは以下の通り

出資を受けていない企業向け

  • 2 年間有効な最大2,000ドル相当の Google Cloud クレジット
  • 200 ドル相当の Google Cloud Skills Boost クレジット
  • テクニカルサポート
  • ビジネス サポートとJagu'e'r(コミュニティ)への参加
  • その他GWS等の割引
  • 参加基準
    • テクノロジー業界のスタートアップ企業かつ機関投資家からの出資を受けていない
    • 過去 5 年以内に設立
    • Google Cloud クレジットをまだ受け取っていない(無料トライアル以外)

出資を受けている企業向け

  • 最大 10 万ドル分の Google CloudとFirebaseのクレジット
  • 500 ドル分の Google Cloud Skills Boost クレジット
  • テクニカルサポート
  • ビジネス サポートとJagu'e'r(コミュニティ)への参加
  • その他GWS等の割引- 参加基準
    • 公に検証可能な資金提供*を受けている
    • 過去 10 年以内に設立
    • Google Cloud のクレジットを 4,000 ドル以上受け取っていない

申し込んだあと、オンラインでのミーティングが設定され、担当者との簡単な面談があります。

特典

個人的に、Google for Startupプログラムでとても大きい恩恵と感じたのが、Google Cloudのクレジットです。
承認されてから2年間、Google Cloudのクレジットを提供いただけるとのことで、特に初年度は、初期費用として10,000USDのクレジットをアカウントに付与され、毎月、前月の使用量に応じて追加クレジットが発行され、 Google Cloudと Firebase の使用料が、100,000USD までカバーされます。
2年目には、利用料金の20%を負担、さらに100,000USDのクレジットが提供されるので、コスト面ではかなり心強い特典になります。

Google Cloud のトレーニングおよび技術サポートやGoogle ワークスペースの割引、Google Maps Platform クレジットなどもあり、コストを抑えたいスタートアップの強い味方ですね。

Microsoft for Startups Foundar Hub

Microsoft for Startups Foundar Hub

こちらは、Microsoft365やAzure、GitHubといったMicrosoftのサービスをお得に利用できるスタートアップ向けプログラムです。
Microsoftの支援プログラムは非常に太っ腹で、Azure無償枠が最大$150K(約1,700万円)を含む最大$350,000(約3,800 万円)分の開発環境・各種ツールが提供されます。

直接webから申し込みするか、担当者とのミーティングを設定してから申し込みを行うことができますが、一度担当者とのミーティングを実施後に申し込みをする流れの方が、開発するプロダクトへの想いを直接伝えることができ、より多くの支援を受けられる可能性があるため、ファーストステップとしては担当者とコンタクトを取ることをおすすめしたいです。

特典

MicrosoftのスタートアッププログラムではAzureクレジット、Visual Studio Enterprise、Office 365などの特典があるのですが、その中でも目玉となるのが、GitHub Enterpriseの無償提供ではないでしょうか。
Tech企業であればほぼ利用しているといっても間違いないと思われるGitHubですが、Enterprise planが無料で使えるというのはとても大きなメリットになります。

ある程度グロースしてからGitHub Enterpriseへアップグレードを検討される企業も多いかと思いますが、後になればなるほどGhEへの移行難易度は高まります。最初からGitHub Enterprise Management Userを利用して堅牢に構築することで、プロダクトの急成長を支えてくれること間違いなしです。

どのクラウドベンダーを選ぶか

dore
クラウドベンダー各社がスタートアップの支援に力をいれていますが、どれも大きく差があるわけではないので、最終的にどのプラットフォームを選択するかは、組織にとっての経済的なメリット使いやすさ各プラットフォームの強みという視点で見て判断することになるかと思います。

個人的な視点で比較検討してみます。

経済的なメリット

Google Cloud と Microsoft Azureは、どちらもスタートアップに多額の費用サポートを提供しています。AWSも Portfolio で10万ドルを提供していますが、申請はActivate プロバイダーを経由して申請が必要など、他2つに対してややハードルが高いように思います。

初期段階のスタートアップにとって、数千ドルの支出を心配する必要がないことは、スタートアップがどんどん挑戦や実験を行うことを可能にしますし、大きなリフトになる可能性があります。

使いやすさ

これは最初に獲得したエンジニア人材のスキルによるものが大きいかと思いますが、スピーディに開発がしたいスタートアップにとってはここが一番の判断ポイントとなるのではないでしょうか。
新しいエンジニアを迎え入れる際にも、プラットフォームにすばやくオンボーディングできることは、チームが成長するにつれて新しいリソースを増やすときに生じる抵抗を減らすため、スタートアップにとって重要な要素のひとつです。

個人的には、各ベンダーが出しているドキュメントの読みやすさや、ユーザーのアウトプットによるものがひとつのポイントになるかと考えています。

その点では、Google Cloudのドキュメントはまだ日本語のドキュメントが少ないところはありますが、読みやすくできているなと感じます。また、AWSはドキュメントは日本語で読む場合やや難解なところがありますが、ユーザーグループの活動が活発で、勉強会やブログによるアウトプットが多く存在します。そのため、実現したいことへの情報にアクセスしやすい利点があります。

Microsoftのドキュメントは…ゲフンゲフン(ry

各プラットフォームの強み

個人的に思う各パブリッククラウドの強みを挙げるとこんなイメージです。

AWS

  • 幅広い利用に適した優等生な性能
  • エコシステムとコミュニティの恩恵を受けられる
  • Azure と GCP にはない独自のサービスがある

Google Cloud

  • Googleのサービスと連携が可能
  • ビッグデータの解析に強み
  • クラウドの経験が浅くても入りやすい

Azure

  • WindowsやOfficeとの親和性がある
  • オンプレ環境との連携がしやすい

自社のビジネス要件に合わせて選択するのはもちろん、上記のスタートアッププログラムの特典も組み合わせてコストメリットが最大化することはなかなか難しいところではありますが、スタートアップがクラウドベンダーを選択する際の参考になれば幸いです。

参考

AWS Activate
https://aws.amazon.com/jp/activate/

Google for Startups
https://cloud.google.com/startup/

Microsoft for Startups
https://www.microsoft.com/ja-jp/biz/startups
https://github.blog/jp/2020-03-03-github-enterprise-is-now-free-through-microsoft-for-startups/

AWS Q Developer image

Your AI Code Assistant

Implement features, document your code, or refactor your projects.
Built to handle large projects, Amazon Q Developer works alongside you from idea to production code.

Get started free in your IDE

Top comments (0)

Best Practices for Running  Container WordPress on AWS (ECS, EFS, RDS, ELB) using CDK cover image

Best Practices for Running Container WordPress on AWS (ECS, EFS, RDS, ELB) using CDK

This post discusses the process of migrating a growing WordPress eShop business to AWS using AWS CDK for an easily scalable, high availability architecture. The detailed structure encompasses several pillars: Compute, Storage, Database, Cache, CDN, DNS, Security, and Backup.

Read full post

👋 Kindness is contagious

Engage with a wealth of insights in this thoughtful article, valued within the supportive DEV Community. Coders of every background are welcome to join in and add to our collective wisdom.

A sincere "thank you" often brightens someone’s day. Share your gratitude in the comments below!

On DEV, the act of sharing knowledge eases our journey and fortifies our community ties. Found value in this? A quick thank you to the author can make a significant impact.

Okay