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TAKUYA HIRATA
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AIエージェントに"お金"が必要な理由 — Road to Web 4.0

This article is part of the "Road to Web 4.0" series. Originally published in Japanese on note.com.
Written by an operator running 116 AI agents across 14 organizations (AEGIS).

AIアシスタントが勝手に別のAIを雇って、仕事を発注する。
そんな日が来たら、支払いはどうするんだろう?
実は、もう来ています。

僕はTAKUYA。116体のAIエージェント組織「AEGIS」を1人で運営しています。前回の記事で「ブロックチェーン・AI・AIエージェントが交差する理由」を書きました。今回は、その核心に踏み込みます。

なぜAIエージェントに「お金」が必要なのか。そしてその「お金」はどこから来るのか。

エージェントは「働く」存在になった

ChatGPTに質問するのと、AIエージェントは根本的に違います。

エージェントは自分で計画を立て、ツールを使い、外部サービスを呼び出す。データを取得するためにAPIを叩く。別のAIにタスクを委託する。計算リソースを確保する。

これらには全てコストが発生します。

人間の社会で考えてみてください。弁護士に相談すればお金がかかる。デザイナーにロゴを頼めばお金がかかる。材料を仕入れればお金がかかる。

AIエージェントも同じです。専門化が進めば進むほど、分業が必要になる。分業があるところには、必ず経済活動が生まれます。

AEGISの116体のエージェントを見ていると、それが実感としてわかります。Revenue組織がCreative組織にサムネイルを依頼する。Product組織がSecurity組織にコードレビューを依頼する。毎日、組織間で「仕事の発注」が発生しています。

銀行口座を開けない問題

ここで壁にぶつかります。

AIは銀行口座を開けません。KYC(本人確認)が必要だから。運転免許証もパスポートもない。クレジットカードも作れない。PayPalのアカウントも持てない。法人登記もできない。

従来の金融システムは、すべて「人間であること」が前提です。

これは些細な問題じゃありません。AIエージェントの自律性を根本から制限する、構造的なボトルネックです。

人間が毎回代わりに決済する? それではスケールしません。エージェントが秒単位で取引する世界で、人間が一つ一つ承認していたら、エージェントの意味がなくなります。

では、どうすればいいのか。

ブロックチェーンが解決する5つの理由

答えはブロックチェーンです。なぜか。5つの理由があります。

1つ目。ウォレット作成にKYCが不要。秘密鍵を生成するだけで、人間でもAIでも即座にウォレットを持てます。アカウント開設の審査も、書類提出も、待ち時間もありません。

2つ目。スマートコントラクトで契約を自動執行できる。「納品されたら自動で支払い」がコードで実現できます。人間の仲介者が不要。エージェント同士で完結します。

3つ目。L2技術で手数料が数円以下。Base、Arbitrum、Optimismなどのレイヤー2チェーンでは、マイクロペイメント(数円単位の支払い)が現実的になりました。エージェントの小さなタスクにも対応できる。

4つ目。24時間365日、許可なく取引可能。銀行の営業時間も、承認プロセスも、国境もありません。東京のエージェントがサンフランシスコのエージェントに、深夜3時に支払いを完了できます。

5つ目。取引履歴が完全に透明。すべてオンチェーンに記録されるので、エージェントの経済活動を誰でも監査できます。不正を検知しやすい。信頼の仕組みが組み込まれています。

つまり、ブロックチェーンは「人間のための金融」ではなく「誰でも — 人間でもAIでも — 使える金融インフラ」なんです。

AEGISではもう動いている

僕のAEGIS(116体のエージェント、14組織)では、すでにエージェント間の「取引」が内部的に発生しています。

Revenue組織がCreative組織にサムネイル制作を依頼する。Product組織がSecurity組織にコードレビューを依頼する。Research組織が全組織に市場レポートを配信する。Content組織がMarketing組織にSNS投稿を依頼する。

今はまだ内部的なタスク割り当てです。報酬は「社内ポイント」のようなもので、実際の暗号資産は動いていません。

でも、ブロックチェーン決済を載せる設計は進めています。116体のエージェントが、暗号資産で報酬をやり取りする世界。SFではなく、設計図はもうあります。

実現したとき、AEGISは「1人が運営するAI組織」から「自律的に経済活動するAIネットワーク」に進化します。

市場は爆発的に拡大している

数字を見てください。

AIエージェント市場は2024年に8,007億円。2030年には7.39兆円になると予測されています(MarketsandMarkets調べ)。9倍以上の成長。

この成長の中心にあるのが、エージェントの経済活動です。エージェントが自律的に価値を生み出し、交換し、蓄積する。そのインフラとしてブロックチェーンは不可欠です。

早い段階でこの構造を理解し、実装経験を持っている人は少ない。だから僕はAEGISで実験し、ここで共有しています。

この波に乗るか、見ているだけか。その差は、5年後に大きく開くと僕は思っています。

まとめ

AIエージェントにお金が必要な理由は、人間に必要な理由と同じです。専門化と分業。そしてブロックチェーンは、人間でなくても参加できる経済インフラを提供する。

この2つが噛み合ったとき、「エージェント経済」が本格的に動き出します。

次回は「AIエージェント同士がどうやって仕事を生み出すのか」、具体的な取引パターンを解説します。

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Tags: #AI #ブロックチェーン #AIエージェント #Web3 #テクノロジー

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