DEV Community

Cover image for 2008年に共同創業したSeedMatrixを再構築する
Matt Senter
Matt Senter

Posted on Originally published at mattsenter.com

2008年に共同創業したSeedMatrixを再構築する

ここで書くことのほとんどは新しいものだ。今年始めたアプリ、十年前には存在しなかった道具。この文章は違う。私は 2008 年に立ち上げを手伝った会社の内側へ戻ってきている。

その名は SeedMatrix。いま私は Senternet を通じて、そのエンジンを作り直している。十八年ものの製品に立ち返ることは、どんな更地からの企てよりも、何を作る価値があるのかを教えてくれた。

消えてくれなかった問題

SeedMatrix があるのは、農家が毎年ぶつかる、一見単純な問いに答えるためだ。この品種は、うちの畑で本当に実力を出すのか。種子メーカーは、自社の品種は収量がよいと言える。だが、その生産者の郡で、その土壌で、その灌漑のもとで、前の作季に播いた品種と比べて証明することは、まったく別の問題である。

決着をつけられるデータは存在する。ただ、独立した何十もの試験ネットワークに散らばっていて、それぞれが独自の形式と、それぞれの地域を抱えている。SeedMatrix はその公的な品種試験データを、その企業自身の圃場成績と一つにまとめ、営業チームが目の前の畑の条件まで絞り込めるようにする。

それが何に育ったかを眺めると、数字がこの問題の切実さを物語る。180 万を超える試験データ点、十二の作物、四十の州と州相当地域。これは私が発明した問題ではない。私より前からここにあり、私より長く残る問題だ。生産者はこの賭けを一季に一度だけ行い、そこには一年が丸ごと乗っている。

なぜ戻ってきたのか

SeedMatrix を過去に置いたまま、新しいものだけを指し示すこともできた。多くの創業者は古い仕事をそう扱う。閉じた章として。私はもう、そうは見ていない。

十八年経ってなお解けていない問題は、古びた問題ではない。持ちのよい問題だ。いま私が作る StockCar のような消費者向けアプリは現実のいら立ちを解くが、そのいら立ちも解法も、どちらも素早く移ろいうる。農業はもっと遅く、もっと深い時計で動いている。どの種をどこに播くかという問いは、農場が存在して以来どの春にも問われてきたし、これからも問われ続ける。

だから戻ったのは郷愁ではない。いくつかの問題は、けっして期限切れにならなかったからこそ二度目に取り組む価値がある、と認めたのだ。最初の版は、問題が本物だと証明した。作り直しは、いま始めるとしたらこう解く、という形で解き直す機会である。

十八年が、作り直しの何を変えるか

問題は同じだ。その周りのほとんどすべては同じではない。SeedMatrix が始まったころ、散らばった試験データを取り込み、正規化し、直接比較へと変える基盤を作るには、チームと長い滑走路が要った。

同じ作り直しをいま、かつて何か月も食っていた部分を AI が加速する状況で行うのは、別種の営みだ。一人の作り手が、以前なら数人を要した速度で、退屈で構造的な作業を通り抜けられる。180 万件の生データを、生産者が信頼する比較へと変えるエンジンは、まさに華やかさに欠け、しかも梃子の効く機械であり、AI 支援の開発が一人に担わせるのを本当に得意とする類のものである。

それがこの作り直しの、静かな物語だ。野心は変わっていない。そこへ届くのに必要なチームの大きさが変わった。古い仕事に戻ることは、道具がどれほど動いたかを実感する最も明快な方法の一つだ。私は新しい版を、自分が生きて通り抜けた基準線に対して測っているのだから。

作り直しは、やり直しとは違う

これほど古いものに戻ると、全部捨てて白紙から始めたくなる誘惑がある。私はそれに抗うことを学んだ。SeedMatrix の価値ある部分は、一度もコードではなかった。遅い道のりで得られた、問題そのものの理解だった。

たとえば、こういうことを知っていること。

  • どのデータ点も、名前と日付のある独立した試験まで遡れなければならない。そうでなければ、疑い深い生産者は信じない
  • 同じ品種がある郡では素晴らしく、隣の郡では平凡に見えることがある。だから地域・土壌・灌漑・成熟期での絞り込みは機能ではなく、それ自体が要点である
  • 営業担当は、机に戻ってからではなく、ピックアップの運転席で会話を成立させられるだけの速さで答えを必要としている
  • 種子は信頼の比重が大きい買い物だ。だからデータは説得的であるだけでなく、擁護に耐えねばならない

そのどれも、コードの差分には現れない。学ぶのに何年もかかり、再生成のきかない部分である。正しく行われた作り直しは、苦労して得た理解を保ち、その下の機械だけを取り替える。全部捨てていたら、同じ授業料を二度払うことになっていた。

予想していなかった一本の筋

私は、アカウントなしにあなた自身の機械で動く消費者向けの道具を作り、同時に、大規模にデータを集約する B2B のアグリテック基盤にも取り組んでいる。表面上、これほど違うものもない。表面の下では、韻を踏んでいる。

どちらも信頼の話だ。Comoji は、あなたの打鍵を決して Mac の外へ出さないことで信頼を得る。SeedMatrix は、どの数字も生産者が自分で確かめられる独立した出典まで遡れるようにすることで信頼を得る。いずれの場合も、向こう側の人が信じてくれなければ製品は機能しない。そして信頼はどこでも同じ作られ方をする。データがどこから来て、そこで何が起きるのかについて正直であること、である。

農業データの基盤と emoji のオートコンプリートが同じ教訓を授けるとは、計画していなかった。だが SeedMatrix に戻ったことが、それを浮かび上がらせた。領域は変わる。人々があなたのソフトウェアを自分の一日に迎え入れる理由は、変わらない。

この往復から持ち帰るもの

2008 年に共同創業した会社へ戻ったことは、新しい着想をどう評価するかを組み替えた。いま何かを始める前に自分へ問うことをいくつか挙げる。

  1. この問題は持ちがよいか。それとも流行が動いた瞬間に消えるか。
  2. 十八年後にもう一度これを見たとして、まだ解く価値があるだろうか。
  3. ここでの本当の資産は、どんなコードではなく、どんな理解か。
  4. 今日の梃子があれば、かつてチームを要したものを一人で担えるか。

SeedMatrix はそのすべてに「はい」と答える。だからこの作り直しは私の時間に値する。問題は続き、理解は積み上がり、そして道具がついに野心に追いついた。ときに、いちばん前を向いた行いとは、後ろへ戻り、そもそもそう作られるべきだった形で何かを仕上げることなのだ。

Top comments (0)