DEV Community

Cover image for TTM 基礎理論編 — 構想ごと選ぶ品質工学
Ryuji Yabe
Ryuji Yabe

Posted on

TTM 基礎理論編 — 構想ごと選ぶ品質工学

三部作:基礎理論編応用理論編事例研究編

TTM 基礎理論編。タグチを知らない人に、砂時計から転写、TRIZ、金額測度までを一本で渡す。

核は誤差因子である。直交表と SN 比は、実験が高い時代の道具だ。因子と数値が揃えば、方案を全部評価すれば足りる。TTM は新しい図ではない。品質工学の同じ枠で、単語が置き換わる。0 点は現状案。動特性の測度は三角形の面積 S。選ぶ尺度は金額 F、または評点 V。TTM は射出成型の転写法の延長である。評価関数が金型になる。

三部作の 1 本目。2 本目は質的最適化の埋め方。3 本目はカナダ 30 代の音楽案件。

判定

  • 本質は誤差因子。標語の直交表と SN 比は道具。
  • 数値が揃えば Excel でも AI でも、全評価で足りる。
  • 0 点は「何もしない」ではない。いま選ばれる方案。
  • TTM は転写法の一種。金型が評価関数に移った。

四つの問い

問い 答え
タグチの核は何か ばらつき・損失・誤差因子
直交表と SN 比は残るか 実験が高いときだけ。数値が揃えば使わない
0 点は何か 最適化しないなら、いま選ばれる方案
TTM は新しい図か 品質工学の同じ枠。言葉が置き換わるだけ

三つの文書はこの順番で完成する

基礎 → 応用 → 事例。順番を逆にすると、枠が案件に飲み込まれる。

1. 最適化は必要条件になった

1960 年代、タグチメソッドは社会の損失を最小化した。最適化は十分条件だった。いまは温暖化・資源・人口が同時に効く。最適化されていないプロダクトは作れない。最適化は存続の前提であり、十分条件ではない。最適化しても売れるとは限らない。

時代の対比

損失最小化から、プロダクト最適化の必要条件へ。

AI がこの前提を実行可能にした。因子を分解し、言語で評点をつけ、計算機で探す。物理量のない案件でも、直交表にこだわらなければ最適化できる。

2. 砂時計でタグチを覚える

生徒が初めて触る事例は砂時計でよい。目標が一点なら静特性(望目)。正確に 5.00 分を刻む。制御は穴径・角度・砂・乾燥剤。誤差は温度・湿度・振動。測度は望目の SN 比 10 log(ȳ² / s²)。二段階で進む。先にばらつきを潰し、次に砂の量で平均を 5 分へ寄せる。

5 分専用を 10 分にも 15 分にも使いたいなら、動特性である。砂の量 M を信号にする。理想は原点を通る一次式 y = βM。誤差条件ごとに直線が一本立つ。重なれば健全。扇に開けばばらつく。

L8 直交表。4因子2水準を 8 回で見る

全組合せは 16 回。L8 は各水準が同じ回数出る。外側に誤差 N1 / N2。数値は授業用の仮想実験。

本来の解析は変動分解である。同じ作業は Excel の回帰とソルバでできる。方案が十〜数十で、因子と目的がすでに数値なら、直交表は要らない。全部評価すれば足りる。交互作用が大きいとき、主効果の足し算は確認実験で崩れる。崩れたら構想が違う。TRIZ で構造を変える。

3. 転写法と TTM

射出成型では、金型寸法 M が製品寸法 X に写る。β はほぼ 1。製造なのでユーザー環境の誤差は置かない。見るのは健全性だけである。

ディープラーニングも LLM も、違う物理量や言葉を測度へ変える金型である。予測値を M、実際値を X に置く。TTM は転写法の一種だ。

TTM は転写法の一種

金型が、予測モデルや言語の評価関数に置き換わる。

動特性の歴史は四つある。伝統(砂時計)、転写(金型)、総合 SN 比・単一(予測を M にする)、総合 SN 比・多次元(利益の組)。TTM の既定はその 3。現場系では伝統型から誤差を二つ借りる。騒音を第 2 の M にしてはいけない。

動特性の4類型

TTM は総合 SN 比(単一次元)を骨格にする。

4. 量的課題と質的課題

課題は二つに分かれる。類型コードは要らない。

量的と質的

量的は金額 F。質的は評点 V。TRIZ の行列は量的で踏む。

風力は量的の見本である。風のエネルギー = 発電 + 損失 + 騒音。騒音を小さくしたいなら、まず発電(ユーザー利益)を最大化する。測度は金額 F。門は開く。

ラーメンは質的の見本である。最終の「うまい」は言語評点。0 点は名店の寄せ集め。誤差は置けない。直交表は要らない。門は閉じる。妥当性は口コミの再集計である。

5. 枠の単語だけ置き換える

品質工学のアプローチ

外枠が評価、内枠がシステム、上が制御、下が最適、左が入力、右が出力、黒い丸が誤差。

因子は三つ。調整(予測 M を作る。組合せ最適化しない)、制御(方案。構想と水準を分けない)、誤差(技術名で二つ。市場名は置かない)。信号の欄は消す。中間生成物である。

因子の三分法

信号の欄は作らない。

0点は方案の外に出さない

何もしないを原点にすると、必要機能がある課題で、すべての方案が罰から始まる。

機能 F = 金額(ΔS) − Δ初期費 − Δ逆 + Δ魅力。質的案件では評点差 V − V0 に読み替える。棄却は足し算に入れない。その条件では方案が無い、と書く。

許容差の門

一元品質を金額化できるか。Yes なら開く。No なら閉じ、感度地図だけ残す。

やらないこと

直交表と SN 比で診断するな(数値が揃ったあと)。TRIZ のあとタグチ、と工程を分けるな。何もしないを F=0 にするな。棄却を −∞ として平均するな。証拠のない魅力で赤字を消すな。面積を dB にするな。国名を誤差に置くな。損失を M に足すな。

埋まっていない枠で探索するな。実測が来たら、枠は触らず右側だけ書き直せ。

次は応用理論編。受け取った課題が質的であることを確認し、ラーメンとの同じ点と違う点を見る。

Top comments (0)